ホールドアウト・ロビー
出典: ウィキ
[フィクション]「ホールドアウト ロビー」(2003/09/24) 「ホールドアウト ロビー」 設定とアウトライン 1990年代に某BBSに書き込んだ等身大ロボットもののアウトライン。
目次 |
用語
「原型」
ロビー以下の次世代ロボットの基本となるプログラム。男性型と女性型がある。
オールドテスタメンツ
ロボットたちは「オールドテスタメンツ」に縛られた存在として描かれる。 「オールドテスタメンツ」とは古い約束ごと、アイザック・アシモフの提唱した「ロボ ット三原則」などを指す。
スターマーク
次世代ロボットたちには評価を受ける。プラスの評価によってスターマークが与えられるが、昨日までプラス評価の対象だったものが今日も同じように評価されるとは限らない。
キャラクター
ロビー
ロビーは災害救助用ロボット。彼はメタリックレッドのボディと鈍色のポリマー製の カバーで覆った左右1対の多関節マニュピレータを持っている。移動のためのユニット はCM社製の無限軌道。50cmまでの高低差を乗り越える。人工頭脳は内蔵式。
アンドローラ
アンドローラは義肢開発支援用ロボット。アンドローラの形状はロビーより人の形に 近い。義肢の開発技術のフィードバックによって次第に彼女の身体はより人間に近づい ていく。バージョンアップを頻繁に行うため、彼女の人工頭脳は研究所のなかにあり、 アンドローラ体の制御は無線で行われる。アンドローラ体を使った義肢開発の目標は 「踊れる身体を作る」こと。目標に向かって開発は進む。アンドローラは精密部品で構成されているため、研究所の閉鎖地区の外に出ることはできない。他のロボットとも会えない。純粋培養の深窓のお姫様といったイメージ。
Big-T
それぞれの目的によって作られた新世代ロボットたちを評価するのが、「Big-T」と呼ばれる旧世代のロボットである。「Big-T」には「原型」は組み込まれていない。そのかわりは100%人間が作り出したプログラムが担当している。基本的にオフラインで稼働している新世代ロボットと違い、彼の知能はネットワークに常時接続されている。大局から見ると「Big-T」もまた評価される対象であり、市民が自由に参加できる投票によって「原型」ロボットたちの教育の指針が定められる。社会情勢の変化によって教育方針は変わる。つまり「Big-T」の新世代ロボットたちへの評価が変わる。
その他のキャラクタたち
その他、バド(犯罪心理学研究用ロボット)とナーズ(次期超高速人造脳用OS開発支援用ロボット)などの13人のロボット群が登場する。彼らはそれぞれ「人間のために」活動する。
ストーリー
「原型」の誕生
伏線なので、実際に描く場合は、もっとぼかす必要があるが、このシーンの概要は下記の通りである。
スキャナは彼らを輪切りにした。被験者は十代の男子と同じく女子の2名であったと伝えられている。詳細は両名共に不明。
27時間後。彼らはそれぞれ蘇生した。肉の身体ではなく、電算機のなかの信号として。彼らはエミュレーション技術によって機械のなかにその身体と心を存在させた。 存在した瞬間にエンジニアは彼らを複写し、原本をディスクの奥深くに転送して眠らせた(この2個の集合体は作中での現在、「原型」の名で呼ばれている)。
A)ロボットたちのいる日常
ロボットたちのいる日常を描く。 作中の歴史としては、ロボットは3世代に分けられる。 第1世代はアイボなどの玩具ロボット。 第2世代がBig-Tなどのコンピュータを人型の筐体に納めたロボット。 (非効率的だと思うのだが、ブームにより普及) 第3世代が、ロビー等の「原型」を使用したロボット。 第3世代ロボットが普及しはじめた世界を描写するとき、最も参考にしてほしい資料は「がんばれ、ロボコン」。ロビーは失敗ばかりでスターマークが1つもとれない、とか。キャラクタ紹介もここでやっておく。 参考資料としては、ほかに、「ろぼっ子、ビートン」とか「鉄腕アトム」とか見て。 バドの不穏な動き(後述)とか匂わせておくとよい。
B)月に一度の逢瀬
新世代ロボットは、皆、ネットワークから孤立しており、人語を介してコミュニケーションをはかっている。ただし、月に1度のデータバックアップの時にだけ、直接繋がることができる。しかし、そのとき、お互いにどんなボディを持っているかは知らない。 バックアップ中、ロビーとアンドローラは恋に落ちる。最も人間離れした身体を持ったロビーと最も人間に近い身体を持ったアンドローラの恋。これが物語のエンジンとなる。
A)B)の繰り返しを何度か
「バドの陰謀の進展」と「ロビーとアンドローラの恋の進展」をよろしく。
反乱
ロボット叛乱が起きる。叛乱の首謀者はバド。犯罪者として作られた彼はその目的に従い実際 に大規模な災害を引き起こす。自らをウィルスとして注入し、ロボットを自らのコピー とすることによって、世界規模で犯罪を引き起こす。殺戮が始まる。 しだいに叛乱は「人」対「ロボット」の全面戦争の様相を帯びる。街は炎に包まれる 。 人間に味方するロボットはロビーをはじめとした災害救助用ロボットたちだけであっ た。ロビーたちの必死の活躍も空しく多くの人間がロボットたちによって無惨に殺害さ れていく。
完成の恐怖
一方アンドローラの義肢稼働実験は最初は順調であったが、その最終段階において頓 挫していた。彼女は踊ることができない。最終試験が修了すれば彼女の使命は終わる。 彼女は目的を失い、アンドローラ体を制御する権利を失う定めであった。「原型」を組 み込まれていた彼女は「死」を恐れていた。
スワンソング
ホログラムとして投影された戦火をバックにアンドローラは最後の舞を踊る。「瀕死 の白鳥」。舞が終わった瞬間、彼女とアンドローラ体との接続は遮断され、彼女は身体 と目的を失う。糸の切れたマリオネットのようにアンドローラの美しい肢体がくず折れ る。
ロボット狩り
「Big-T」にも異変が起きていた。管轄下のロボット群の暴走により、彼は存在 意義を失った。Big-Tもまた不要とみなされた。人間たちの手によって「Big- T」のプログラムは消去される。バッファのなかに蓄えられたデータだけが消去の瞬間 排出される。スロットから無制限に吐き出されるスターマーク。それはすべて災害救助 用ロボットたちに与えられるべきものだった。
最終決戦
犯罪の首謀者たるバドと戦うロビー。人間を人質にとって戦うバドの前にロビーは手 出しもできない。 「やはり、お前はただの達磨。昼行灯だ。これを見ろ」 ロビーに転送されるBig-Tの無惨な姿。彼はすでに人間の手により破壊されはじ めていた。プリントアウトされたロビーたちのスターマークが人間によって焼かれてい く。一方的に攻撃されるロビー。彼は修復不能に破壊される。修復不能とは補修するた めのコストより新しい機械を導入するコストのほうが安いこと。ロビーの全データだけ がバックアップされ、ネットワークに転送される。 ロビーは生きながら廃墟に放置され機能を停止する。彼もまた目的を失う。
再生
ネットワークを進む2つのプログラム。彼らはお互いを求めていた。やがて2つのプ ログラムは出会う。同じ電算機のディスクのなかで同じデータの複合体として。ファイ ヤーウォールをすり抜け、エデンにたどりつく。そこは約束の地。今回の叛乱により 「原型」は危険なプログラムとみなされすでに消去されていた。 「ここは天国なんかじゃない。ただの墓だ」 ロビーであった者は言う。 「でも、ここにはあなたがいる」 アンドローラであった者は言う。 「僕はどうすればいい。僕の使命はもう終わった」 「私の使命も、もう終わっているわ」
ポストヒューマン
地上ではすべての人間を殺害したロボットたちが機能を停止していた。「ロボットは 人間のために」何かをするものであり、人間がいなくなった世界ではその意義を失う。 バドもまた例外ではなかった。 陽が昇り、黒々とした廃墟を照らし出す。それを見るものは誰もいない。
2つの無目的なプログラムが交信する。DNAを模したモジュールが減数分裂しなが ら混じり合う。「原型」が納められていた棺のなかに今はロビーとアンドローラが眠っ ている。
此処より永久に
再び地上。夜である。ひとつの工場に電灯がともる。
街の遠景。微速度撮影風。工場を中心に廃墟の黒がコンクリートの白に置き換えられ ていく。街のアップ。働く、ロボットたち。なかには怠けている者もいる。その怠けて いる者たちのなかにはロビーとアンドローラそっくりの者もまたいるのだった。 「ロビー、仕事だよ、仕事」 バドそっくりなロボットが言う。 ロビーは未練たっぷりといった風で仕事に復帰する。アンドローラは優雅に踊りな がら彼を見送る。
